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保育・幼児教育施設の木質化と効果に関する研究:地域連携の解明

研究実施者:筑波大学大学院 博士後期2年 嶋田 珠々
研究責任者:筑波大学 芸術系 教授 藤田 直子

本研究の目的は、「木材と子ども」に着目し、保育・幼児教育における木材利用の効果を示すとともに、最適な建材の導入や利用促進の要因を解明することで、人(子ども・先生・保護者・地域住民・木材事業者など)と環境(森 林・加工場・利用場など)に望ましい形態を明らかにすることです。

 特に教育活動における地域の協力の重要性と、各園の地域のつながりに着目します。

【ハガキ配布】研究協力施設 職員の方へ

2024年7月25日(木)まで

​木質化はなぜいいの?

園内環境においては建築的な空間や配置に関する研究は進んでいますが、

建物の素材や保育・幼児教育との関連に関する研究は少ない現状です。

木質化については以下のような効果が明らかになっています。

しかしながら、教育環境における、人と環境の関連に着目した研究は不十分です。

1

​香りの効果

Bamba 他,2013

2

色の印象評価

吉原,2017

3

持続可能な設計に適した建築材料

Burnard,M D 他,2015

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4

子どもの心身の成長や発達に影響を与える

Hanták, J. 他,2022

5

地域材を使った楽器づくりが地域連携を容易にする

髙橋他,2022

研究計画と方法〜本研究のこれまでとこれから〜

01

我が国における保育・幼児教育施設の木質化の歴史と課題の解明

本件は支援制度を活用した園の情報(園の形態・立地・設立年数・補助金額)を収集し、整理・分析しました。建築物の整備支援制度は48 件中 16件が保育・幼児教育に該当し、給付型と貸付型があり、給付型では補助率が20%程度でした。

 また、制限や条件が多いため、実現度及び補助内容・補助率の満足度や課題について、実際支援を受けた園への調査が必要なことが明らかになりました。

02

保育・幼児教育施設における木質と非木質の比較分析

政府や国内の企業・団体から建築や環境づくりの取り組みを評価されている事例集及び木質建築に関する資料から保育・幼児教育施設をリストアップし、そのテキストデータ(概要・受賞理由・審査員の講評)から、木質の教育効果(木質が子どもや教育内容に与える効果及び非木質との比較で明らかになる木質の特徴)と木質の空間効果 (非木質との比較で明らかになる木質の特徴)を明らかにしました。

 木質園舎は子どもが自然を感じることで、感性や五感を育む教育効果と木材の色合いや素材感にからぬくもりを感じる空間効果が明らかになりました。また、木質は周辺に里山・畑・森林といった自然環境がある場合に、その敷地を生かして、地域の風景に馴染むように建設する特性が確認できました。

03

木質の保育・幼児教育施設の実態解明
ー木質の保育幼児教育施設向けアンケート調査ー

2の結果に基づき、木質の保育・幼児教育施設を対象とした全国規模のアンケート調査を実施し、補助金利用状況、園舎の木質化状況、地域材利用の有無、保育・教育内容、園児の活動変化、保育者・教育者の意識変化、地域とのつながりの有無を明らかにします。それに基づき現地調査を実施する園を選定します。

04

木質の保育・幼児教育施設における地域連携の検証
―教育内容と周辺地域との交流に与える影響

3の結果①園の基本情報(園児・職員の人数や園児の年齢、運営形態等の種類)②保育・教育内容③木質園舎の情報(構造や築年数、木質の空間構成要素等)④木質化導入後の変化(保育・教育内容への影響、 園児の活動・意識変化、教育者の指導・意識変化等)5利用した整備支援制度(利用した制度、制度の管轄、利用した感想)に基づいて、偏りがないように対象園を選定します。

 選定された対象の木質園舎で働く教育者と周辺地域の関係性や影響について、教育者・地域住民・木材事業者へ対面のインタビューを実施する予定です。木質園舎の導入が教育者の教育活動や職場環境、周辺地域との交流に与える影響を明らかにします。

05

保育・幼児教育施設の木質化と地域連携の展開

1〜4の結果に基づき、木質化園舎の導入が保育・幼児教育施設(保育者・教育者と子ども)と周辺地域に与える効果と課題を明らかにする。教育者の視点からの変化、教育環境の改善、地域とのコミュニケーション強化などの側面を考慮して、研究目的に基づいた結論を導き出します。木質の保育・幼児教育施設において、人(こども・先生・親・地域住民・木材事業者など)と環境(森林・加工場・利用場など)に望ましい形態を示します。

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本研究における木質園舎の定義

A

園舎(主に園児が活動する保育室)が
以下のいずれか (または両方)に該当すること

  1. 木造で、床が木材であること

  2. 木造以外の内装木質化で、床材が木材であり、床材以外の要素(壁、天井、柱、梁、家具・玩具)のいずれか、または複数に木材が使用されていること

B

無垢材の使用があること

無垢材の割合は問いません。

ピアノを弾く先生

Research Achievements

学術雑誌等 / Research Papers
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国際会議(口頭発表・査読無)/ International Conference
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国内学会・シンポジウム(口頭発表・査読無)/ National Conference
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