研究室のプロ3の世界遺産班所属の岩井です。引き続き活動と調査状況を報告します。ここでは以下の2つの話題を取り上げます。
1)9月26日(土)大島の海岸清掃ボランティア
2)10月1日(日)「みあれ祭」見学
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主催:宗像・沖ノ島市民の会事務局(世界遺産登録推進室、海の道むなかた館) 参加予定:100名程度 スケジュール:9月26日(土) 宗像市神湊港渡船ターミナルに9:15分までに集合。 神湊発9時25分のフェリー乗船、 9:50頃から大島ウオーキング、 10:00頃中津宮到着、 →1.8㎞ほど歩いて中津宮遥拝所到着、 11時頃から12時頃まで海岸清掃、 13時出航のフェリーで帰る
交通費や渡船代はでないボランティアです。
昼食のおにぎり2個はでますが、飲み物などは持参。
これは10月1日に行われる「みあれ祭」に向けての活動です。 みあれ祭の前に、宗像大社の若干の説明をします。宗像大社は、宗像市にある辺津宮、人の住む島である大島にある中津宮、一般の人が立ち入ってはならない沖ノ島にある沖津宮からなります。それぞれに姉妹神が祀られていて、みあれ祭は、辺津宮に祀られている市杵島姫神(いちきしまひめ) が、姉にあたる田心姫神(たごりひめ)と湍津姫神(たぎつひめ)を迎えるもので、三女神それぞれの御輿を載せた船が海上を巡行した後、本土の辺津宮まで陸路でくるというものです。
神湊のフェリーターミナルから大島に着くと早速神輿運搬の場面に遭遇しました。
中津宮で少しこの宮についてのガイドをしてもらった後、海岸へ移動しました。途中で軍手とゴミ袋をもらいます。
海岸でゴミ拾い開始。
お昼近くに終了、参加者みなさんのとったゴミはかなりの量になると思われます。
清掃作業中に、ジャージ姿で清掃活動に参加していたみなさんに声をかけてみました。彼らは宗像高校の生徒会ともうすぐ立ち上げる歴史同好会のメンバーで、歴史を知るにはまず大島の清掃をしてみようということになったそうです。先生と生徒のみなさん15名ほどが清掃活動に精を出していました。歴史同好会自体は今年中に立ち上げる予定とのこと。
この他、九州女子大の学生さん2人に話を聞いたところ、地域生活学演習という授業の一つとしてこの清掃活動に参加したとのことでした。
帰りには、主催者からあかもくご飯のおにぎりと平成27年7月28日にお祓いを受けた 「沖ノ島の御神水」をいただきました。
清掃活動後、大島をみてみました。
松尾商店の方に伺ってみたのですが、今のところ、世界遺産候補の構成資産の一つに 大島がなったからといって、売り上げはあがっていないとのことでした。 宗像市神湊からフェリーで20分くらいの大島にきて、ちょっとだけ世界遺産を見て、または海洋施設に来て宿泊は福岡市内ということも可能です。地元にとって何か目に見えるメリットがないとわかりずらいです。
神湊に戻り、ターミナルから道の駅まで歩いてみました。
ナカマル醤油醸造元を訪問。私設資料館になっていました。無料です。
↓吞海山 隣船寺には、
種田山頭火の生前唯一の句碑があります。
「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群はこのままいけば、来年夏ににもイコモス(国際記念物遺跡会議)の調査が入り、再来年には世界遺産委員会での世界遺産登録の可否が決定するというスケジュールになります。
今回、大島での海岸清掃活動に参加してみて、100名以上のみなさんが交通費や渡船代はでないのにこの海岸清掃に参加されたことにびっくりしました。
参加者それぞれに参加理由はあったと思われますが、ウオーキングより清掃の場面になると全てのみなさんが、かなり真剣に丁寧にゴミをみつけて拾うということをしていました。無駄口をせず真剣にゴミを拾うということは日本人の特徴ではないかと思えたくらいです。地元の方では海岸清掃に限界があったということなので、この取り組みは今後も続けたらよいのではないでしょうか。
社会人だけではなく、高校生や大学生が清掃活動をしていたので、若い力と世界遺産をもっと結びつけることはできないものかと思います。高校生と地元の高齢者を結びつけるワークショップなど、大島や宗像にある課題を考える場を設けることができればいいのではないかとも思いました。
課題だけではなく、浜辺や種田山頭火の生前の唯一の句碑やナカマル醤油醸造元のようなところがあるのですから神湊地区のいいところをマップ化することはできないかと思います。私が神湊地区および道の駅むなかたまで歩いたのは土曜日ですが、徒歩ですれ違う人はいませんでした。車が目的地から目的地まで人を運んでお終いという地区に見えました。
岩 井
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